お茶の旅
2025.01.31

茶葉の品種開発の理由|茶樹品種

茶葉の品種開発の理由|茶樹品種

皆さん、こんにちは。

新年あけましておめでとうございます。

お茶好きのアンディです。


お茶の品種は非常に多様です。

これほど多くの茶樹品種があるのはなぜでしょうか?

新しい茶樹品種を開発する理由は何でしょうか?

今日は茶樹の品種について皆さんと共有したいと思います。



➤ 茶樹の品種はどのように分類されるのか?

茶樹の品種は、「非人工育種」と「人工育種」に分けられます。

さらに、インドの「アッサム種(Assamica)」と中国の「シネンシス種(Sinensis)」の2つに分類されます。

「非人工育種」には、在来種、野生種、外来種が含まれ、自然環境に元々存在する品種を指します。

台湾茶の場合、青心烏龍、四季春、大葉烏龍、青心大冇、山茶などが該当します。


在来種:特定地域に自然に自生する植物

野生種:人の手が加えられていない自然の植物

外来種:人為的に導入された非在来の植物


「人工育種」とは、人間の手によって開発された品種のことを指します。

台湾茶においては、「台茶xx号」として知られる品種、例えば台茶12号(金萱)、台茶18号(紅玉)などが含まれます。



➤ なぜ新しい茶樹品種を開発するのか?

a. 茶葉の品質と風味を向上させるため

より美味しいお茶を作るために、魅力的な風味の開発が必要です。

例:台茶12号(金萱)のミルクのような香り、台茶18号(紅玉)のミントの香り


b. 病害虫への耐性を高め、農薬使用を減らすため

病害に対する抵抗性:茶小緑葉蝉や炭疽病などの被害を軽減し、農薬の使用を抑えることで、安全性とコスト削減を実現

環境への負担軽減:化学農薬の使用を減らし、土壌や水源の汚染を防ぐことで、持続可能な農業を促進


c. 気候変動に適応し、安定した収穫を実現するため

極端な気候への耐性:気候変動による高温、干ばつ、豪雨などの状況に対応できる品種を開発

異なる環境への適応:さまざまな標高や土壌条件に適応し、栽培地域を拡大


d. 生産量と経済効果の向上

収量の増加:生長スピードや芽の密度を向上させ、収穫周期を短縮し、生産性を向上

収穫時期の延長:年間を通じた安定供給を実現し、収益の安定化


e. 品種の持続的な改良と経営の安定

長期的に同じ品種を栽培すると品質の低下や適応力の低下が起こるため、新品種の開発が重要

地域の遺伝的多様性を維持し、伝統と現代技術を組み合わせた開発


f. 国際競争力の強化

ユニークで高品質な品種を開発し、輸出市場での競争力を強化



➤ 茶樹品種の育種方法

a. 伝統的な育種方法

実生選抜育種(自然選択):

茶の種子の自然変異から、成長の早い、病害耐性の高い優良個体を選び繁殖

無性繁殖育種:

挿し木、接ぎ木、取り木などにより、優良個体の特徴を保持

交配育種:

複数の品種を掛け合わせ、両方の特性を引き継ぐ優良品種を開発


b. 現代の育種方法

突然変異育種(誘変育種):

化学誘変(エチルメタンスルホン酸エステル(EMS)、コルヒチン(秋水仙素))や、放射線誘変(ガンマ線)

を用いて、耐病性や耐寒性などの特性を持つ品種を選抜

組織培養育種(無菌繁殖):

無菌環境で培養し、大量生産を可能に

分子マーカー育種(MAS):

遺伝子マーカーを用いて、優良遺伝子を持つ苗を迅速に選別

遺伝子編集技術(CRISPR/Cas9):

目的の遺伝子を直接編集し、耐病性や風味を強化

茶樹品種は、非人工育種(在来種、野生種、外来種)と人工育種(台茶シリーズ)に分かれます。

新品種の開発は、品質向上、病害耐性、環境適応、収量増加、経済効果向上を目的とし、伝統的手法と最新技術を組み合わせて行われています


皆さんの参考になれば幸いです。

また次回お会いしましょう。


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