烏龍茶は中国福健省原産、台湾で改良され、中でも凍頂烏龍茶が最上級とされています。数百年間の、川を渡り山を越えた旅は、ついに今日の高山茶にたどり着きました。烏龍茶の「高山気」を追い求めて止まない市場の動きと、労働力不足とが重なり、茶職人たちは気候や自分たちの勘を頼りにする代わりに、
「標準化された製茶方法」を編み出しました。「高山気」としてみなされてきたのは、成熟前に摘まれた若葉の不完全発酵による「青み」でした。
遊山茶坊は、昔からの凍頂烏龍茶ならではの独特な「すっきりした喉越しと爽やかな香り」を追求し、成熟した茶葉を十分に発酵させたあと適切に
火を加え、ついに「骨に染み入るような優しいノスタルジー」の再現に成功しました。まさに遊山茶坊の製茶技術の極みです。
遊山茶訪では、標準的な手摘み方式を採用しています。親指と人差し指の間のスペースの幅が手摘みの長さの目安です。新芽に比較的多く含まれているアミノ酸は、旨みに貢献しています。二番茶と三番茶は、甘みと香りを提供します。正しい摘採手法を取り入れることで、お茶の香りや味わいのバランスを引き出すことができます。
伝統的な摘採方法
新茶運送のモノレール
室外での萎凋は、茶葉の草臭さを取り除きます。太陽のもとに晒されることで、水分が蒸発する以外に、茶葉に温かな香りを増す効果もあります。
細心の注意を払って新茶を動かしています
適切に動かし、新茶が均等に熱を受けられるようにします
室内での萎凋は、水分を更にゆっくり蒸発させると同時に茶葉の発酵を促す効果があります。烏龍茶特有の香りは、まさに適切な発酵によって引き出されるのです。
優しい攪拌のみが良い口当たりをもたらします
大きな動きは発酵をより均等にする効果があります
殺青(釜で茶葉を炒ること)の目的は、高い温度で発酵を止めることにあります。殺青を行うとき、作業速度が速すぎると茶葉の芯まで行き届かず表面だけが焦がされてしまいますし、逆にゆっくりすぎると、茶葉を老化させてしまいます。程よい速度での殺青は、職人の長年の経験で培われた勘だけが頼りです。
手の感触で新茶の熟成度を感じ取ります
高温にさらすことで発酵を止め茶葉の香りを固定します
揉捻は、加える力が強すぎると茶葉を破壊してしまい、お茶の見た目が混濁し、味も不純になります。逆に揉捻が軽すぎると味の薄いお茶になります。
現代の揉捻機
昔ながらの人力揉捻機
ゆっくりと茶葉を半球形になるまで揉むこと(=団揉)は烏龍茶最大の特徴です。団揉で、お茶の味わいに深みを増します。程よい力加減や回数が鍵となります。力が強すぎる、あるいは回数が多すぎると、お湯を注いだときに茶葉が開きにくくなります。また回数が足りないと薄い味わいしか期待できません。
石のような硬さまで茶葉を球状に凝縮する包装機
茶葉を弯曲させる平揉機(動きはお団子を丸めるのに似ています)
焙煎の標準的な方法は確立されていません。すべてお茶に合わせて決めます。台湾烏龍茶はコンパクトな半球形をしており、焙煎を行き届かせることは簡単ではありません。もし時間や温度が適切でなかった場合、茶葉は焦げた外側と、生の内側を持った状態になってしまいます。時間が経つと、茶葉の青い香りが再び現れます。これは「吐青」と呼ばれます。焦がさず適切な焙煎がなされた茶葉だけが良い品質のお茶と言えます。
オープンタイプの焙煎機
電気焙煎機